昨年の経験が全く活かされていなかったので、今回は、備忘録としてきちんと書いておこう。
雪洞にBig Ocean氏と行ってきた。内緒で。
2月11日午前2時半頃現地到着 天気曇り 雪はたっぷりある。
午前7時半頃起きて出発準備にかかる。雪というよりも氷っぽいものが降っている。少し雨交じり。
午前10時頃雪洞予定地到着 氷の粒(雪が途中で溶けて再度凍結した感じのもの、どういう気象条件か想像もできないが。)が降っている。荷物を置いてスキーに行くことにする。
午後2時回数券を使い果たしたので、雪洞掘にかかることして、再び現着。
相変わらず、氷の粒が降っている。氷の粒は結構融けやすいようだ。下の方は雨交じりだったため、スキーをしている間に結構ぬれてしまった。(第1の失敗)雪山で濡れることは死に繋がることをもっときちんと自覚しなくてはいけない。
雪洞掘中もダウンジャケットのままやっていたのだが、降り続く氷の粒が結構融けてウェアを濡らしていく。
先日大雪が降ったはずなので、雪洞掘は楽なはずだったが、現地の状況は、あまり芳しくなかった。
雪と氷の層が何層にも、ミルフィーユ状態になっている。下の方は結構堅くて掘るのが大変である。今年は、大雪と雨が交互に降っていたようだ。標高1650メートルにしてこの状態とは思わなかった。確認できただけで、3層以上に氷の層があった。しかも、結構硬い氷なので、ウインドクラストとかではなく、雨が降ったのだろう。
地球温暖化の影響だろうか?バンクーバーは雪がないといっているが、寒波の来ているはずの日本では、大雪はいいとして、その合間に雨が降っているというのか。
当初最少催行人員3名としていたのだが、今年の雪なら大丈夫と高をくくって2人で出かけたのがやはり間違いだった(第2の失敗)。雪洞内に2人入って掘り進めることができずにやたら時間がかかってしまった。やはり掘る人が2人、外で雪を掻き出す人が1人は最低必要である。
午後6時、何とか2人寝られるだけの広さになったようなので、食事の準備にかかることにした。まあ、お湯でも沸かしながら、その分雪洞が広がるので、何とかなるだろう。
外に放置していたザックを雪洞に入れようとすると、ザックのでこぼこのへこんだ部分に氷が付いている。雪ではなく氷である。一度降った雪(今回は氷状のもの)が融けて水になってその後凍ったようだ。水になったときに内部に染みこんでいなければいいが。(第3の失敗)
案の定溶けた氷は、シュラフと着替え(靴下のみではあるが)を濡らしていた。そんなにひどくないのがまだ救いか。
今年の雪は、つい2−3日前も雨だったようで、たっぷり水を含んでいた。そのためか、お湯を沸かしても、雪洞がほとんど広がらない。お湯を沸かすのは楽でいいのだが、広がってくれない。
そうこうしているうちに、ろうそくの火が消えた。ライターでろうそくの火を点けなおそうとするが、今度はライターが不調である。昼間濡れたせいか?O君の新調したろうそくランタンも不調になってきた。コンロの火も火がはね気味である。
もしかして酸欠?ふたにしていたツエルトを開けて空気を入れる。ろうそくは再び燃えだした。
雪は空気を大量に含んでいるので、酸欠の心配はまずないはずではなかったか?それでも空気穴を開けるようにものの本には書いてあったが、最近は、ろうそくを立てて、それが自然に空気穴を開けてくれていたので、そういう手順は省略していた。(第4の失敗)
今回の場合、雪が大量に水を含んでいたのと、ろうそくが自然に開けてくれるはずの穴が、氷の層に阻まれてそこで止まってしまっていたため、酸欠になったようだ。人間が2人ようやく入れる程度の空間でコンロを炊くと簡単に酸欠になるようだ。
慌てて空気穴を開けてみようとしたが、なかなかうまくいかない。最後の手段で、スコップで、無理矢理大穴を開けることにした。
いつもは、ツエルトに付いてきた5本継ぎの中間に入れる梁にする樹脂のポールを使うが、今回は焦っているためか3本回収できなくなった。(翌朝回収したが。)5本のうち1本だけジョイント金具のないものがあるが、それを上側にしてその後2本目を繋いでやるとうまくいくようだ。金具付きを上側にすると、金具が引っかかって戻ってこなくなる。こうなると空気穴も開かないし、ポールをなくす素になる。
午後9時頃、食事が済んで、他にすることもないので、寝ることにした。ちょっと酸欠が心配なので、ろうそくとろうそくランタンとを点けたまま寝ることにした。寝る前に多少寒いが十分換気をした。
なかなか寝付けなかった。12時頃ランタンの火が消えた。3時か4時までは、燃えているはずなので、またしても酸欠だろうか?裸火のろうそくの方はまだ燃えている。ランタンはどうやら倒れて消えたようだ。
12日午前1時52分気がつくとろうそくが消えている。30分ほど前までは燃えていたので、今度こそ酸欠だろうか?起き出して入り口を開けて換気する。30センチメートルほど降るかもしれないと言われていた雪は、それほどでもなかったようで、入り口は埋まっていなかった。
十分換気したので、9時から2時まで5時間程度は大丈夫だったので、あと5時間程度は大丈夫ということにして,今度こそ寝ることにした。ただ、入り口は細めに開けておくことにした。寒いが仕方ない。シュラフは多少濡れたが、十分に保温性は保っているので、問題ないだろう。
朝6時半起床、食事をしながら、今日の下山を決める。まあ、スキーだけは今日1日楽しむことにしよう。
朝9時パッキングを終えて,いざ出発しようとスキー靴に履き替えようとしたところ、スキー靴に水が溜まっている。O氏のスキー靴も同様だ。狭い雪洞の壁側に押しつけておいたため、雪洞内部の融けた水がみんな入り込んだようだ。スキー靴置き場はきちんと確保しなければいけない(第5の失敗)。
速攻下山に決まった。帰りの荷物は、たっぷり水を含んだものばかり,来たときの倍は重く感じた。
帰路は例年どおり、温泉に寄った。ゆっくり暖まらないと,昨年のように凍傷になってしまうかもしれない。今年は、手の指が両手とも第二指から第四指までジンジンしている。まあ、昨年はこの時点であまり感触がなかったから今年の方がだいぶましだろう。
明日以降、個別に問題を検証していくことにする。まあ、他にも細かい問題は多々あるので、それを含めて問題と対策を考えることにする。なお、写真は一枚も撮る余裕がなかった。
安藤 潤